上司「今日から現場サポートお願いね」

自分「え…今日からですか?」

上司「分からなかったら聞きに来て」

新しい部署に異動した後、受信を開始してからわずか2日で現場のサポート入りを命じられた。
業務がスタートし、電話が入ってくる。現場が活気を帯びるとともに、自分の中の不安は大きくなっていった。どうか難しい質問が来ませんように、と祈っていた矢先、早速出番がやってきた。

と、ここで現場サポートの流れについて紹介しようと思う。現場のサポートというのは、対応中のスタッフがヘルプ札を挙げた時にそのスタッフの質問や後処理のサポート、はたまたお客様が上席対応を希望された時に電話を変わることもある。

なので、現場サポートをするには商品に関する知識や対応の流れを十分に把握していないといけない。異動前の部署でサポートに入った経験はあるが、それは十分に経験と年数を積んでからだった。異動したばかりの自分は製品に関する知識も少なければ顧客対応の経験も乏しい。そんな自分がサポートに入った結果は散々だった。

スタッフの質問には答えられず、上司に聞きに行き、その回答をスタッフに伝えるという伝言ゲームだ。これがすぐに上司に聞きに行ける環境であればいいのだが、上司も他のスタッフのサポートで忙しい。その合間を縫って質問をしに行くのだ。必然的にスタッフも顧客も待たせてしまい、客を怒らせてスタッフに負担をかけてしまう悪循環が生まれてしまう。

途中からは「あなたじゃ分からないと思うから、別の人呼んできて」と言われることも多々あった。初日なので仕方ないとは言え、この言葉が中々に堪えた反面、早く仕事を覚えようという着火剤にもなった。

しかしながら、この部署の忙しさはとてつもなかった。鳴り続ける電話、3分に1度は上がるHELP札、一息つく暇もない。物覚えの悪い自分は、仕事を早く覚えるために質問をメモし自分なりのQ&Aを作っていたのだが、それを作る時間すらない。なので、覚えようとしても別の質問が飛んでくるので覚えられず、知識が中々定着しない悪循環も生まれていた。

そんな中、自分はあるスタッフのクレーム対応を引き継ぐことになった。現場サポートは苦手だが、顧客対応なら今までの経験が活かせるはずだ。しかし、電話を代わった直後、自分の考えが甘かったと思い知ることになる。

Part④へ続く……