今年の8月頃、自分は突然上司へ呼び出された。話を聞くと、別部署への移動に関する話だった。

なんでも、今いる部署は人手が足りているので、その別部署に管理者候補として異動してほしいようだ。管理者候補の話は今まで何度か聞いていたが、別部署に異動するのは予想外で面食らってしまう。

ちなみに、別部署では取り扱う商品が変わる。今までいた部署ではエンタメを、異動先は家電を取り扱う窓口で、製品のトラブルシューティング的な窓口だ。

勤務状況は今より良くなるらしく、日曜・祝日が固定休日。勤務時間も今より少し短くなるらしい。部署異動後、研修や受電で経験を積み、徐々に管理者へステップアップしていく、という説明を受けた。

今いる部署でさえ3年かけてようやく業務の大半を覚えた。なのに、新しい部署でそんなすぐに業務内容・製品知識を覚えられるのだろうか。そんな不安を感じていたが、上司の期待を裏切るわけにもいかず、自分はその提案を承諾した。

別部署へ移動した後は、入社した新人達と一緒に5日間の研修を受けた。取り扱っている家電は様々なので、種類やスペックを覚えるだけでも一苦労だ。しかも、研修は座学のみで、それが終了すれば即独り立ちである。前いた部署では座学研修→ロープレ→1週間程度先輩と一緒にOJTという流れでようやく独り立ちだった。

しかし、今回の部署は人手が足りていないのか、即現場へ投入される。コールセンター未経験の人からすればとても酷な環境だと思う。

自分は電話での基本的なコミュニケーション自体は慣れていたので、度々上司に対応方法を確認しながら辛うじて対応をこなしていった。

今回の業務には膨大な知識量が求められる。また、マニュアルと上司の指示にも食い違いがあるので、どちらが正しいのか分からない。とにかく数をこなして知識をつけるしかない。そう思っていた。

上司「今日から現場サポートお願いね」

初受信から2日後、突然上司から現場サポート入りを命じられた。

Part③へ続く……