UFOキャッチャーというゲームには、景品以上にロマンが詰まっている。
自身の技量で、景品を手に入れる。もし上手く行けば、原価よりも安く手に入れる事も可能なゲームだ。

そんなUFOキャッチャーに、自分も一時期めちゃくちゃハマっていた時期があった。だが、あのゲームはもしかしたらギャンブルに近い負の要素が詰まっているゲームなのかもしれない…

確かハマっていたのは高校生の頃、たまたま近所のゲーセンでトースターをゲットした。かかった金額は1000円ちょいだっただろうか。

今まで「あんなゲーム取るのなんて無理」と諦観していた自分だったが”取れる場合がある”というのを知ってしまったのが、沼に落ちたきっかけだ。

それ以来、よくゲーセンに足を運んでは音ゲーではなくUFOキャッチャーにお金を使った。
調子が良い時は、1000円でお菓子や人形、複数の景品を手に入れる事もあったが、逆に調子が悪い時には3000円ぐらい使ってボウズな時もあった。

ただお金を無為に失っただけだったが「これはスキル(技術)を買っている」と無理矢理言い聞かせていた。

さらに恐ろしいのが「取れればセーフ」という考えだ。
既に原価以上の金額をつぎ込んでいても、取れなければ無駄に終わる。だが、取ることができれば少なくとも救いはあるのだ。もはやギャンブラーに近い思考である。

おそらく、のめり込んだ原因としてはYoutubeでプロの人が景品を乱獲している動画を見ていたのもあると思う。そのせいで「自分も真似をすれば取れるのでは?」と淡い期待を抱いてしまった。

しかし、自分には真似するだけの技量も無ければ、店や機種によってはアームの下がる位置や強度にも差がある。

「このままのめり込んでしまっては破産する」と感じた自分は、ゲーセン自体に近寄らなくなった。

その後、以前のようにのめり込むことは無くなったが、たまにゲーセンに寄った際にUFOキャッチャーが気になることがある。

そんな時はとりあえず100円だけ入れてみて、無理そうな台であればすぐに手を引くことにしている。
以前の経験から、つぎ込んだ金額が高ければ高いほど後に引けなくなるので、引き際が重要ということを学んだのだ。

あと、個人的に感じているのは「初心者でも絶対取れる!」と謳っている台は、逆に取れないようになっている気がする。あれはUFOキャッチャーではなく、USO(嘘)キャッチャーなのかもしれない。