自分の朝はシャワーを浴びることから始まる。
朝の身支度、寝ぐせ直し、歯ブラシ、洗顔にシェービング、ズボラな自分はこれらをシャワーを浴びながら一気に済ませてしまう。

ちなみに、自分はジェルタイプのシェービング剤をよく使用している。以前、泡タイプのものを使ったことがあるが、肌に合わなかったのか痛めてしまった。

今朝もシャワーを浴びていると、ジェルがなくなりかけていることに気づいた。
剃らないとスッキリしないので、容器を上下に振り残ったジェルをひねり出す。最初は空気しか出てこなかったが、何度も振ったり、強く押すことでようやく一回分の量をひねり出すことができた。

「帰りに買ってこないとな~~」と思いつつ、風呂場から上がると、妹がニヤニヤしながら自分を見つめてきた。

何かおかしなことでもあるのか聞こうとした時、「とむ~風呂場でオナラしたらダメだよ」と笑われた。もちろん、自分はシャワーを浴びながら屁なんてこいていない。だが、妹が言うには確かにオナラの音がしたというのだ。

このままでは自分は「風呂場でデカイ屁をこいた兄」になってしまう。こればかりは認める訳にいかなかった。

そうして、問答を繰り返している内に、音の正体に気づいた。
おそらく、シェービング剤をひねり出している時の音だろう。最初は空気しか出てこず、ジェルが出てきた時に発した音が屁の音に聞こえてしまったのかもしれない。

そう妹に説得するも「ほんとに~~?」となかなか信じてもらえない。苦し紛れの言い訳だと思っているのだろうが、実際そうなのだから、こういう他ない。
実演してみせたいが、もう既に中身が空っぽなので、今同じことをしても再現できない。

だが、自分の必死さから少しは信じてもらえたようで「屁こき男」という烙印を押されることはなかった。まぁそれを必死に弁解する姿を見せてしまったので、どのみち恥ずかしい思いをすることになったのだが。