とむとむダイアリー

オタクの何気ない日常エッセイ。

タグ:日常

このシリーズを始めから読む→「オタクがパチンコに行って来たお話 Part①」
前回の話を読む→「オタクがパチンコに行って来たお話 Part③」

玉抜き方法が分からず困っている時、ふと台の上を見上げると「呼出」と書かれているボタンが見えた。もしかしたら、これを押すと店員さんが来てくれるかもしれない。初心者感丸出しで恥ずかしいが、今は一時の恥より目先の勝利だ。呼出ボタンを押すと、1分も経たず店員さんが駆けつけてくれた。

店内がうるさく会話が難しかったが「球を抜いてください」というテロップを指さすと、店員さんは何かを察したかのように台を操作し始めた。よく見てみると、上皿の近くに「球抜き」と書かれているボタンがあったのだ。

それと同時に、上皿に溜まっていた玉が一斉に下に流れ始める。ジャーーーーーと一気に流れて行く様子はもはや爽快感すら感じる。

YO!YO!YO!

一方、台では藤原千花がYO!YO!YO!と荒れ狂っていた。
アタッカーが開き、球を入れていくと倍になって流れてくる。最初は300程度だったのに1000発、2000発、4000発と玉がみるみる増えて行く。どういう理屈で継続になっているか分からないが、気づいたら10連チャンしており、玉は1万発を超えていた。

これがパチンコの醍醐味…!と何とも言えない快感を味わっている中、自分はある問題を抱えていた。

めちゃくちゃトイレ行きてぇ…!!

気合を入れるためにエナドリを飲んだのがまずかったのか、めちゃくちゃトイレに行きたかった。ちなみに、決壊度数で言えば80%は超えていたと思う。一刻も早くトイレへ行きたいが、終わる気配が全然ない。

自分の中では「早く終わってくれ…!」という気持ちと「まだ続いてくれ…!」という矛盾した気持ちがせめぎ合っていた。
結局その後もラッシュは続き、20連もの大連チャン、2万発を叩きだしてしまった。ちなみに、トイレは何とか間に合った。おそらく、あと10分続いていたら危なかったと思う。


さて、ようやく初勝利を果たした自分は、店員さんからの景品を手に外へ出た。気分は戦果を挙げた武将の気分である。敷地を2~3周グルグル回っていると、何やら怪しげなカウンターを見つけた。

パチンコは三点方式だから問題ないと言われているが、ここまであからさまに置かれていると本当に大丈夫か心配になる。
受け取り口に景品を置くと、スッと2万円が差し出された。なんだか危ない闇取引をしたような気分になる。

近くのコンビニで缶コーヒーを買い一息つく。わずか1時間で2万円、言い方はアレだが、労働の必要性を疑問視したくなる。帰りに回転寿司でも行こうかとホクホクしていると、自分の中の悪魔が囁いた。

「もっと…もっと欲しくないか…?」

オタクがパチンコへ行ったお話 Part⑤(最終回)へ続く…

前回はコチラ→「オタクがパチンコに行ったお話 Part②」
このシリーズを初めから読む「オタクがパチンコに行ったお話 Part①」


「1円パチンコ!そんなのもあるのか…」
かぐや様のパチンコを設置している店を探していると、店によっては1円のレートで設置している店もあるらしい。

1玉1円なので、勝った時の金額は少ないが長く打ち続けることができる。そして、長く打てればその分当たる確率も上がる。

後日、自分は1円パチンコを置いている店へと向かった。初めての時は入ることすら時間がかかったのに、2度目は迷うことなく店に入った。慣れって怖い。

来た時間が早いからか店内はガラガラで、幸い台も入口近くにあったのですぐに座ることができた。

勝利を目指して、挨拶に5千円札を突っ込んだ。こういう時は資金に余裕がある方が勝てるのだ。

1円だと200円分ずつ玉が排出される。しかも、1回あたりの玉の量が4円の1000円分と同等の量だ(主観)

早速回していると、あることに気づいた。

「あれ、前よりなんか回る?」

これが釘の調整というやつなのだろうか。少なくとも前打った時よりもヘソに入る割合が多い。

これならもしや…と期待を込めて玉を打ち続けるも、結局鳴かず飛ばずで3000円消費してしまった。
長く打てても1/319を引き当てねば大当たりにはならないのだ。 

敗北が頭をよぎる中、4000円目に突入した時、ついに台に変化が訪れた。

突然画面内に早坂が現れ、保留変化が起きたのだ。ラーメン保留が藤原千花へ変わる。もしやこれが金保留というやつだろうか。

リーチになると同時に、見たことのない演出が始まる。

「かぐや様は気づかせたい

かぐや様が初めてネイルをした時のエピソードである。ここで会長が彼女のネイルを褒めれば大当たりだ。

会長「四宮!その爪!か…か…」

「言え!褒めろ!可愛いと言えー!!」
と内心大声で応援していたら

会長「可愛いよ!!!」

言った。言いやがった!
まさか本当に当たるとは思わず一瞬固まってしまったが、それと同時に台がギュイーン!!と聞いたことの無い唸り方をし始め、かぐや様の「好きー!好きー!」コールが始まった。

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初めて引けた大当たりに興奮していると「右打ちにしてください」とアナウンスが流れた。

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ハンドルを思いっきり右に捻ると玉が右端まで飛んでいき、上皿に玉がジャラジャラと流れ始める。

しかし、このまま増えていけば上皿から玉が溢れてしまう。

周囲を見渡してもドル箱はありそうにない。アタフタとしていると「玉を抜いてください」と画面内にテロップが現れた。

せっかく大当たりを引けたのに、このままでは台がエラーを起こしてしまう。だがこのまま台を離れる訳にはいかない。

絶体絶命な状況の中、自分はとあることに気がついた。


オタクがパチンコに行ったお話 Part④に続く…

前回はコチラ→「オタクがパチンコに行ったお話 Part①」

た、玉が、玉が入らねぇ…!!
正しく玉を打てるようになったが、一向に玉がヘソに入らない。パチンコって大体こんなものなのだろうか。

そう思っていると、ようやく1玉がヘソに入った。かぐや様や会長、千花ちゃんの図柄が現れるだけで何も変化がない。

それから何度か玉がヘソに入ったが、キャラの会話があるだけで一向に数字が揃う気配がない。

内心「暇だな〜」と思いつつ玉を打ち続けていると、あっという間に1000円が消滅してしまった。

「これで終わり!?」と思ったが、投資千円ごときで当たるほどパチンコは甘くないのだろう。

「とりあえずもう千円…」と追加で野口英世をサンドへ捧げた。

ドーンだYO!

突然、パチンコ台から千花ちゃんの役物が現れた。どうやら「継続」が起きたらしい。今まで見たことのない台の挙動に胸が高鳴る。

すると、ついに図柄が揃いリーチになった。
「これはもしや行けるのでは?」とドキドキしていたが、結果はハズレだった。

その後はリーチにかかることすらなく2000円目も消し飛んだ。

ここで引き返せばよかったのだが、自分もやはり熱くなりやすいタイプ、気づいた時には躊躇わずに3千円目を投入していた。

「ここで当たらなかったら辞めよう」
そう思いながら回していると、またもやリーチが訪れた。

「はいはい、どうせ当たらないんでしょ」
と半ば諦観していると、突然見たことのない演出が始まった。

石上君がかぐや様から逃げている映像だ。8のリーチなので、1〜6までの数を押しのけて進む石上君。きっとここで8が出せれば大当たり確定なのだろう。

「石上!!頑張れ!!逃げ切れ!!!」
内心、体育祭編以上に石上君を応援していた。しかし、石上君が逃げ切れることはなかった。

それと同時に3000円目も消し炭となってしまった。

時計を見てみると、まだ30分も経っていない。たかが数十分で3000円が消えてしまった。流石にこれ以上は不味いと思い、自分は足早にパチンコ店から脱出した。

空は綺麗な青空だったが、3000円失った自分としては空を綺麗と感じる余裕すらない。結局その日はトボトボと帰路につき、帰り道で食べたラーメンを3000円のラーメンだと思うことで帳尻を合わせた。

しかし、ラーメンを食べながら自分はあることを決意した。

負けたままでは…終われない!!!(フラグ)

オタクがパチンコへ行ったお話 Part③へ続く…

そうだ、パチンコを打ってみよう!(唐突)

最近、自分の好きなアニメ『かぐや様は告らせたい』がパチンコ化したらしく、前々から気になっていたパチンコに行ってみることにした。

実は、自分の家系はパチンカスが多い。
自分自身もUFOキャッチャーで熱くなって数千円溶かすことがあるので、正直不安でしかない。

だが、こういうのは歳を重ねて中年になってハマった方がタチが悪い。どうせハマるなら若い内がいいだろうと自分を正当化しパチンコ店へと向かった。

いざパチンコ店の前に立つと、変な緊張が込み上げてくる。ここから先に進むと取り返しがつかないような気がするのだ。

ドアの前に立っては退いてを繰り返していると、喫煙所で煙草を吸っているおっちゃんが訝しそうに見つめている。

結局それから数十分思い悩んだ挙句、自分はパチンコ店へ足を踏み入れた。

店に入った瞬間、懐かしい香りが充満している。
そう、これは朝から外出して夜遅くに帰ってきた時の親の香りだ。

ちなみに、その外出がパチンコだと知ったのは中学生ぐらいになってからである。

入ってみて驚いたのが意外に店内が明るく清潔感があることだ。自分の中では薄暗いアンダーグラウンド感のある場所だと思っていた。

それに、そこまで音もうるさくなさそう…とノイキャンイヤホンを外してみた。

うるっっっっっっっさ!!!!!!

急いでノイキャンイヤホンを耳に戻した。
どうやらそこまでうるさくないと感じたのはノイキャン機能のお陰のようだ。

さて、自分の今日の目的はかぐや様のパチンコである。2〜3分店内を歩いていると、目的の台を発見することができた。

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Pフィーバーかぐや様は告らせたい

目がチカチカするほどの照明、やけにうるさい効果音、無数に配置された釘、これぞパチンコである。

いざ席に座り、千円札を手に取る。あとはこれを左上のサンド(?)に入れるだけなのだが、お札を入れる手が震えた。

「今ならまだ戻れますよ…」

自分の中の天使が告げている。

「ええい!ままよ!!」

自分は天使のお告げを遮り、野口英世を生贄にした。

すると、無数の銀の玉がジャラジャラと流れてきた。これが野口英世の命の輝き…

とりあえず、ハンドルを回すことは知っていたので、ハンドルを軽く捻ってみた。玉は発射されているが、右端まで飛んでいってしまい、また戻ってくる。おかしいなと思っていると

「左打ちに戻してください!!!!」

突然の爆音が流れた。不意打ちに驚いた上に、近くの席の人が自分を一瞥した。きっと「コイツ初心者だな?」と思われているに違いない。初心者丸出しである。

きっと、自分の打ち方がダメだったのだろう。自分はさらに弱くハンドルを右へ回した。

すると、玉がヘソ目掛けて転がっていく。ついに自分のパチンコデビューが始まったのだ!

オタクがパチンコへ行った話 Part②へ続く…

「え!?台風なのに出勤するんですか!?」
職場からの突然の電話に自分は驚いたが、一応社会人なのでこの言葉をぐっと飲み込んだ。この時、沖縄には台風が迫っており、直撃する日が自分の出勤日と被っていたのだ。

「その次の日も出勤だから、近くのホテルに泊まれるけどどうする?」
自分は上司の提案を承諾した、というより、その選択肢しかなかった。自分が帰る時刻は台風がちょうど到来し始める頃。その頃にはきっとモノレールも止まっているだろう。タクシーで帰るという選択肢もあるが、市を跨いでいるので後日清算してくれたとしても金額がえげつないことになる。だとすればホテルに泊まるのが1番ベストだろう。

などと言いつつも、内心では「ホテルに泊まれる」という非日常なイベントに密かに胸を高鳴らせており、仕事を終えた後にはコンビニでつまみやお酒を買い込んでプチ酒盛りをしようなんて思いながら、仕事へ向かった。

その日の午前中はいわゆる”嵐の前の静けさ”というやつで、いい天気だったのだが夕方になると徐々に風が強くなり始めた。それと同時に、座っている自分の視界がまるで頭を左右に振っているかのように揺れ始める。
「今揺れませんでしたか?」
「やっぱり揺れましたよね!風でビルって揺れるんですね~」
「タワマン住んでる人は台風の時めっちゃしんどいらしいですよ」
どうやらこの現象は眩暈ではなくビルの揺れらしい。そして、時間が経つにつれてこの揺れはさらに悪化していった。

それでも時間は経つもので、なんとか終業時刻になり自分は足早にコンビニへと向かった。ようやくお楽しみタイムがやってきたのだ。しかし、自分の希望はあっさりと打ち砕かれる。なんとコンビニが台風のせいで閉まっていたのだ。当然と言えば当然なのだが、それでも落胆してしまう。

仕方ないと思いつつホテルへ向かおうとしたその時、外は信じられないほどの暴風が吹き荒れていた。ビルから出たばかりの自分としてはまるで異世界に放り込まれたかのようで、一瞬パニックになる。
ちなみに、ビルからホテルまでの距離は数十メートル。時間にしたら1分未満で着くだろう。それでも外に出ることに恐怖を感じざるを得なかった。

しかし、いつまでもビルにはいられない。自分は呼吸を整え一気にホテルへ向かおうと決意し再びビルを出ると、ちょうどその時ビルの壁に手を当てながらゆっくりと移動する同僚を見かけた。

「大丈夫ですかー!!」
「なんとか!気を抜いたら飛ばされそうになりますねー!」

風の音が大きいので会話すら一苦労だ。
「一緒に行きますか?」とジェスチャーで伝えるが、同僚は「先にどうぞ」と首を横に振った。こういう時は自分自身のタイミングで行きたいという気持ちはなんとなく分かる気がする。

その後、ホテルへ向かおうと小走りを始めた時、背後から猛烈な突風が吹き、自分の体は意思に反してなぜか全力疾走を始めた。風の力も加わり、50m走以上のスピードが出ていたと思う。

スピードがピークに達した時、自分の目の前にはホテルのガラス面が待ち構えていた。だが、風が体を押しているため踏みとどまることができない。このままだとノーブレーキで正面からガラス面に激突する。激突するだけならいいが、この勢いなので衝突の際にガラスを割れてしまうかもしれない。
そうなれば大怪我、いや死ぬ可能性だって考えられる。「死」を予感するも体はいうことを聞かずに減速すらできない。

距離があと1~2mになった時、バランスを崩したのか無意識の防衛反応が働いたのか、自分は転ぶことでガラス面への衝突を回避できた。横向きに転んだので、幸い腕で受け身も取れている。起き上がり周囲を見渡すと、自分の無様な一部始終を目撃した人は誰もいなかったようで少しほっとする。

「し、死ぬかと思った…とりあえずホテル入ろう」
ホテルでチェックインを済ませ部屋に入ると、疲労と安堵が押し寄せてきたと同時に、アドレナリンが切れたのか、受け身をとった時の腕と脚が痛みを訴えてきた。
運が良かったのか傷は手のひらの小さない擦り傷のみだったが、手首の辺りがズキズキと痛み、力を入れることができない。

風呂に入りながら先ほどの出来事を振り返ってみたが「台風で転倒」の原因がなんとなくわかった気がする。もし強風で足を取られ走り出してしまった場合、止まる方法はぶつかるか転ぶしかないのだ。もしかしたら、今までの負傷者の中には自分と同じケースもあるのかもしれない。

それでも、大きな怪我もなくホテルへ辿り着けたことは運が良かったと言うほかないだろう。ちなみに、この記事を投稿する本日も手首の痛みは続いている。

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