朝6時、自分はいつもの目覚ましで一瞬目を覚ました。その日は仕事だったが、前日の夜はいつまでも寝れず、ズルズルと2時まで起きた挙句、眠りに落ちても3時、4時と何度も中途覚醒しており、全然眠れた気がしなかった。

ギリギリ7時まで寝よう…と再び瞼を閉じて往生際悪く浅い睡眠を貪っていると、急にスマホがいつもと違うアラームを鳴らした。地震速報や避難勧告が出た時のあの音である。

嫌な目覚まし音だなと思いつつも、その時期は台風が近づいていたので、おそらく土砂災害等の天気に関するものだろうとそのまま無視していたが、ちょうど夜勤から帰ってきた母が急いでニュースをつけた。

朧げな意識でニュースを聞いていると、どうやら北朝鮮がミサイルを発射したらしい。またか…と耳を傾けていると、そのミサイルは沖縄方面に向けて発射されていた。

「沖縄!?!?」
他人事だと思っていたら、まさか自分が住んでいる県に発射されていると知り、その時点で6割ほど目を覚ました。だが、これだけ衝撃的なニュースを聞いても眠気は4割ほど残っている。

TVは危機感を煽るような耳障りの悪い音とアナウンサーの避難指示がループ再生のように流れ続けていた。

アナウンサーは「地下や頑丈な建物に避難してください」避難指示を述べていたが、そもそも沖縄には地下鉄どころか地下系の施設はほとんどない。強いて言えば商業施設の地下駐車場ぐらいだろうか。それに、今自分がいる最大限頑丈な建物はこの自宅だ。となると、最善の行動はこのまま自宅にいることだろう。

せめて窓の無い部屋に行くべきだろうが、あいにく自分はまだ眠たいのでなるべく布団から離れたくない。おそらく意味は無いだろうが、自分は毛布で体を覆い3度寝という防御態勢をとった。

なんなら交通機関が止まって仕事が休みにならないだろうか…なんて不謹慎なことを考えたが、7時を過ぎた辺りで避難指示は解除された。

自分もその辺りで睡眠を諦め、のそのそと布団から起き上がった。流石にそろそろ起きないと仕事に遅刻する。

目覚まし音ってどんな音でも嫌いになりがちだが、まさかこんな”最悪な目覚め”があったとは。できることなら2度と聞きたくないものである。