Part①はコチラ→「ナビに従ってドライブしたら山の中に置き去りにされた話①」

ナビの指示に従い、スーパーのサンエーへ向かっていると、なぜか森の前に案内された。
「何かの間違いではないか?」と思ったが、ナビの示す道はこの先に続いている。こんな森の中にサンエーがあるはずがないのは一目瞭然なのだが、とりあえずナビに従ってみようと、自分達は車を進めた。

森の中は道は整備されているものの、車1台しか通るスペースがない。対向車が来たら大変だったと思うが、不幸中の幸いか対向車と遭遇することはなかった。いや、対向車が来ない分、余計に不気味さがあったような気がする。

さらに、右を見ても左を見ても草木が生い茂っているので、今自分達がどの辺りを走っているのかも分からない。こうなっては自分達の頼りはナビのみになる。

しばらく車を走らせるも一向にこの森から出られる気配が無く、ナビを開始してから到着予定時刻を20分も過ぎていた。

しかし、ナビ内の目的地を示す赤いピンは立ったままだ。
自分は怖さを紛らわすために「怖ぇ~!」「ヤベ~!」という単語をbotのように繰り返していた。こんな状況でも落ち着いて運転している友人は尊敬できる。

それから数十分、さらに車を走らせていると、徐々に赤いピンに近づいてきた。しかし、森の出口は見当たらないし、最初よりも薄暗い場所に案内された。

「マジでどこだここ?」と思っているその時

「目的地へ到着しました。お疲れさまでした。」

と、無機質なナビの音声が流れた。

Part③へ続く…