今時、多くの人がイヤホンを耳につけながら外出している。自分もその一人で、もはやイヤホン無しでは外出できない。自分の中では、財布・スマホ・イヤホンは三種の神器なのだ。

しかし、この前の休日、イヤホンを忘れた状態で外に出てしまった。気づいたのは家から駅までの中間の距離だ。「そろそろ音楽でも聴くか」と首元に手を伸ばしてもいつものイヤホンの感触が無いことに気が付いた。

家族には「仕事に行く」と伝えており、家を出たのが本当に仕事であれば遅刻ギリギリの時間だった。なので、家に戻ったら「ギリギリなのにわざわざイヤホンを取りに来たのか?」と怪しまれる可能性がある。

仕方ないと諦めそのまま駅へ向かった。その日は平日の通勤ラッシュの時間帯だった。耳元に寂しさを覚えながら自分は適当にスマホを弄り始めた。

そして、スマホを弄り始めてから数十分経った頃、あることに気が付いた。車内がごった返しているのに対し、予想以上に車内が静かなのだ。学生のヒソヒソ話は聞こえるが、それ以外の人は眠っていたりスマホを弄ったりしており無言。満員電車なのに静寂が車内を包んでいた。

イヤホンを忘れたことで思わぬ発見をすることができた。おそらく、普段イヤホンをつけて意識していないだけで、普段から朝の満員電車はこの雰囲気なのだろう。意外だった。

そうして自分は目的の駅を降りた後、ダイソーを目指して歩き始めた。理由は簡単、イヤホンを買うためである。コンビニで買おうかとも考えたが、コンビニのイヤホンは高いのでやめにした。

開店まで1時間あるので少し早めに着くが、スマホを弄りながら待てばいいだろう。歩いていると、車の走る音や信号機の音、空を飛ぶヘリの音など、最近あまりちゃんと耳にしてなかった音が入ってきた。なんだか懐かしい感覚である。

たまには”イヤホン”無しで外に出るのもアリかもしれないな~、”いやほん”と。